近藤悠三 赤地花瓶

近藤悠三先生は1969(昭和44)67歳の時に、宮内庁より御下命を受けて新皇居御料品として「赤地金彩花瓶一対」を謹作しています。

新皇居が完成の暁には近藤悠三の花瓶一対を置くよう予め決められており、その大きさに指定がありました。ご皇室からのお誂え品です。

このような経緯で制作した作品ですから、近藤悠三先生の作品としては他に類のない大きさと形です。

その時、白磁花瓶・赤地花瓶・金彩花瓶の三種類を制作し、宮内庁へは金彩花瓶一対をお納めしています。

この「赤地花瓶」はその折に制作したものの一つです。

近藤先生は、

「わしは(新皇居に納めて頂こうと意図して)運動してもろうてもろた訳 やない。
  あちら様から注文してくれはったのや
 しゃあから、あの時なんぼか御代をくれはった。
  ありがたいこっちゃでェ。」と述懐していました。

白磁花瓶

赤地花瓶

金彩花瓶

高さ36.3cm 胴径25.7cm  \1,000,000

宮内庁蔵 金彩花瓶一対 (講談社刊:近藤悠三作品集より)